会社を退職してフリーランスになる場合には行わなければいけない手続きがあります。会社勤めのときには会社が手続きを行ってくれていましたが、フリーランスになれば自分で手続きをしなければいけません。
フリーランスになるときにどういった手続きが必要なのかを知っておかないと後々困ったことになります。そこで今回は、会社を辞めてフリーランスになるときに必要な手続きとして、税金・保険・確定申告などを中心にご紹介していきます。
この記事を読んで、しっかり手続きをしてからフリーランスの道をスタートしましょう。
- 1、フリーランスになるときに必要な手続き
- 2、まとめ
1-1、厚生年金から国民年金への変更
1-2、国民健康保険に加入or健康保険の継続手続き
1-3、開業届の提出
1-4、青色申告承認申請書の提出
1、フリーランスになるときに必要な手続き
フリーランスになるときにはさまざまな手続きが必要になります。手続きを怠ってしまうと問題が発生するため注意が必要です。そこでここからは、フリーランスになるときに必要な手続きについてご紹介していきます。
1-1、厚生年金から国民年金への変更
フリーランスになるときには、厚生年金から国民年金に変更する手続きが必要です。会社勤めの場合、厚生年金に加入していますが、フリーランスを含む自営業の方は国民年金に加入する必要があります。
フリーランスは国民年金の保険料を自分で支払わなければならず、加入手続きを居住している市区町村役場で行う必要があります。
手続きのときには年金手帳と離職・退職証明書、社会保険の資格喪失書など退職したことを証明するものが必要なので、手続きのときには忘れないように持っていきましょう。
1-2、国民健康保険に加入or健康保険の継続手続き
フリーランスに必要な手続きとして、国民健康保険の加入手続きが挙げられます。会社勤めの場合は、健康保険加入していますが、フリーランス(自営業)になると国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険の手続きは市区町村役場で行うことができますが、退職日が確認できる書類を持参する必要があります。ちなみに、フリーランスになったときに国民健康保険に加入する選択肢以外に健康保険の任意継続を選択する方法もあります。
会社員の間に加入していた健康保険に退職後2年間に限って任意で加入し続けることができる制度があります。この手続きも居住している市区町村で行うことができます。
健康保険継続の手続きは退職日から20日以内に申請する必要があり、期限内に手続きを完了させなければいけません。このようにフリーランスは国民健康保険に加入するか健康保険を継続するかを選択して手続きをする必要があります。
1-3、開業届の提出
フリーランスになるときには開業届を提出する必要があります。開業届は新しく事業を始めたときや廃業したときに提出するもので、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
提出が必要な対象者は個人事業を行う人全員で、開業してから1ヵ月の間に最寄りの税務署に提出しなければいけません。
開業届には職業欄があるので、フリーランスとして主な仕事内容を記載するようにしてください。また、開業と同時に屋号を決めることもできます。屋号を決めると銀行口座を屋号で作成することが可能になるので非常に便利です。
さらに、開業届を提出することで青色申告の申請が可能となります。開業届を提出しなければ白色申告しかできませんので、青色申告がしたい方は開業届を提出しましょう。
開業届は税務署のホームページからダウンロードできますし、税務署でもらうこともできます。また、提出は郵送でも可能です。フリーランスとして働き始めたらなるべく早く開業届を提出するようにしましょう。
1-4、青色申告承認申請書の提出
フリーランスになるときに必要な手続きに、青色申告承認申請書の提出があります。青色申告承認申請書の提出は必須ではありませんが、フリーランスであればしておくとメリットが大きい手続きです。
青色申告とは確定申告の方式の1つで、確定申告には青色申告と白色申告があります。
【青色申告】
- 事前に申請が必要
- 青色申告特別控除(複式簿記65万円/簡易簿記10万円)
- 赤字が繰り越せる(3年間)
- 家族への給与が経費になる
【白色申告】
- 事前の申請が不要
- 帳簿付けが簡単(単式簿記)
- 特別控除がない
このように、青色申告は事前に申請が必要ですが、特別控除が受けられる点がメリットです。青色申告なら最大で65万円の控除が受けられるので節税になります。また、赤字が繰り越せたり家族への給与が経費になったりとフリーランスにとってメリットが多いです。
一方で青色申告の場合、複式簿記という方式で経費などを詳しく帳簿付けをしなくてはならず、少し帳簿付けが面倒になります。
帳簿付けが面倒である青色申告ですが、節税を考えるとメリットが多いです。青色申告承認申請書は開業届と同時に提出することができるので、一緒に申請することをおすすめします。
1、まとめ
ここまでで、フリーランスになるときに必要な手続きをご紹介しました。フリーランスになるときの手続きには税金や年金などの必ずやらなければいけない手続きと青色申告のように任意だけどやった方が良い手続きがあります。
やらなければいけない手続きに関しては漏れがないようにしっかりやって、任意の手続きに関しては自分の状況に応じて手続きを行ってみてください。